冬が終わり、春が来て雨が降ってる。

長い冬が終わった。
とても静かで、でもどこかで騒々しい季節の終わりだ。
あれだけ毎日のように会っていた人たちも、なんだか春の足音と共にどこかへ。
なんだ、人間も一緒なんだ。なんて思ったりする。
春の陽射しや風や雨に育てられるのは植物だけではない。
そんな単純な事も認識出来ずに、今まで生きていたなんて。不思議に思う。
この写真にある道は、僕らが少年の頃からスケボーしたり、たむろしていた道だ。
開発の予定が頓挫して、直線になるはずの道は曲がっている。
そんな所も僕たちは気に入っている。
怪我もいっぱいさせられた。
いつもポイ捨てされる道でもあるし、
おっかない人にイチャモンをつけられた場所でもある。
でも、なんだか愛着があって、そこに全てがあると思っていた時もあった。
正確に言えば未だに、この道には僕のほとんどがあるように思う。
冬の間は封鎖されていて、とても静かに海と森の天気を感じられる。
この道も生き物なんだと思う。
どこかに移動する事もない道。
最近開発をするらしい話を聞いた。
今までの道はまた違う形になるようだ。
まさに生き物。
僕たちにとっては大切な仲間であるこの道。
ここからの景色は一日中知っている。朝から朝まで。
そんな道も春を迎えた。
きっと濡れた危ない路面で、今も僕らを待っているような気がする。
和宇尻中央通り